【まちかど美術館】北川民次 絵本原画展

 

1.開催内容
 北川民次(1894-1989)は、力強い独特の画風で母子や花、メキシコなどをテーマに二科会で活躍した画家です。静岡県出身の民次は、アメリカで美術を学んだ後、メキシコに渡り画家として活動しながら美術学校の先生を務めました。民次が絵本制作に取り組んだのは、メキシコで15年間の生活を終え、戦前に日本に帰国してからです。民次は、親交の深かった久保くぼ貞次郎さだじろう(1909-96)に資金援助など協力を依頼し、芸術的な子どもの絵本制作に励みました。久保コレクションには民次が手がけた絵本の原画が多数収蔵されています。

 本展では、北川民次が1944年に制作した動物の絵本に注目し、前期では『ジャングル』(文:佐藤さとう義よし美み、画:北川民次 帝国教育会出版部 1942年)、後期では『うさぎのみみはなぜながい』(文・画:北川民次 福音館書店 1962年)の絵本原画を紹介します。生き生きと表情豊かな動物たちをご覧ください。また、渡辺私塾美術館からの特別出品作品として、民次と交流のあった画家藤田嗣ふじたつぐ治はるの版画も展示いたします。

2.開催期間
前期5月9日(木)~7月8日(月)、後期7月11日(木)~9月2日(月)

3.休館日
毎週火曜日、7月10日は展示替えの為、休館

4.開館時間
午前9時~午後6時(最終入館 午後5時30分)

5.入館料
無料

6.開催場所
まちかど美術館
〒321-4325 真岡市田町2203番地1
電話番号 080-8736-3984
※駐車場は真岡信用組合荒町支店西側にございます。

参考
1938(昭和13)年4月に栃木県の真岡では、地元の久保貞次郎(1909-96)らにより第1回児童画公開審査会が開かれて新しい図画教育の探究 が始まりました。2ヶ月後に久保は、メキシコ・タスコから2年前に帰国した北川民治(1894-1989)と出会い、戦争で中止になる1942年第7回ま で開催し続けました。
 敗戦後の1952年5月に久保や北川ら21名は「児童の個性の伸長こそ新しい教育の目標だ」とする《創造美育協会宣言》を高らかに謳います。戦後 民主主義を体現した精神や授業実践の創美運動への共感が全国に広がってマスコミの注目を集め、3年後の創造美育研究会には、1670名もの参加者で溢れました。その命脈は現代日本の美術教育に受け継がれています。